2-1. DNAの構造
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1) 遺伝子の実体はDNA
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2) DNAはヌクレオチドが連結した分子
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DNAは殻にある酸性物質「核酸」として見つかったが、ヌクレオチドと呼ばれるものが多数結合した鎖状の分子 なお、塩基の結合した糖の位置は、1'~5'などと'(プライム)をつける
リン酸基の-OH部分のHは水素イオンとなって離れやすいが、これが、核酸が酸の性質を示す理由 ヌクレオチド中の3このリン酸期の位置は、糖に近い位方からα、β、γと記される
memo: モノ、ジ、トリ
連結して結合している原子(団)の個数が1個、2個、3個の場合、接頭語としてモノ(mono)、ジ(di)、トリ(tri)をつけ、略語としてM,D,Tを用いる
memo: 酸と塩基
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水中で水素が水素イオン(水素原子から電子が一つとれたもの)になって離れるもの 逆に水素イオンを補足するもの
水中の水素イオン濃度が$ 1\times10^{-7}\ \mathrm{mol/L}(中性. pH=7)を超えた状態(pHは7未満) それ未満(pHは7を超える)
DNA鎖の形成
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このようにして3'-OHに別のヌクレオチドの5'-リン酸基が結合し、それが次々延びることができる
こうしてできた鎖状の分子がDNA
DNAは糖の5'末端と3'末端という異なる末端をもつ方向性分子であるが、5'→3'という方向はDNA合成の方向性の原則でもあり、DNA分子の方向性は遺伝子工学では特に注意を払う必要がある なおヌクレオチドが2個以上から数十個までの短いDNA鎖をオリゴヌクレオチド(oligo: 少数)という 3) 細胞のDNAは二本鎖として存在する
塩基対による二本鎖形成
DNAが一本鎖で安定に存在する状況はある種のウイルスにおいてのみみられ、通常2本一組で存在する
2本の鎖は塩基同士の水素結合という弱い結合力によって並列状態で結合するが、この時一方の鎖が5'→3'の方向に向かっているとすると、相手の鎖は3'→5'の方向で結合する https://gyazo.com/25dfe35ed2d723d6a907a74809129530
塩基対の一方が決まれば他方も決まるという性質
このことから二本鎖DNAには塩基配列情報が二重に含まれていることがわかる
DNA複製、転写、一本鎖核酸同士が連結して二本鎖になる反応も、すべて相補性に基づいて起こる A-T塩基対は水素結合が2個なのに対し、G-C塩基対は3個のため、後者の塩基対の萌芽安定である
天然のDNAのGC含量(全塩基中のG+Cの割合)は一般的に50%前後だが、局所、あるいは生物種によって大きく偏る場合がある memo: 分子や原子の結合
結合には強い結合と弱い結合がある
強い結合
弱い結合(熱や化学物質によって簡単に壊れる)
生物によりDNAの塩基組成はA=T、G=C、A+G=C+Tが成り立つが、G, A, T, Cの延期祖性は異なるというもの
塩基対の規則性を暗示しており、DNA二重らせん構造発見のヒントになった
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二重らせんは約10塩基対で右巻きに1回転し、らせんの直系は2 nmである
他に水分のない所でできるA型DNA、左巻きらせんのZ型DNA(細胞内でも局所的に存在する)などがある 組み立てられたDNAの分子模型を眺めると、広い溝と狭い溝が見えるが、DNAに結合するタンパク質の奥は広い溝にはさまるように結合する
Column ヒトのDNAの長さ
ヒトゲノムを構成するDNAは約30億塩基対($ 3\times10^9)
1塩基対分のDNAの長さは$ 0.34\ \mathrm{nm}($ 3.4\times10^{-10}\ \mathrm m)
DNAの長さは$ (3\times10^9)\times(3.4\times10^{-10}\ \mathrm m)=1.02\ \mathrm m
ヒトは二倍体で2セットのゲノムを持っているので、細胞あたりのDNAの長さは染色体を全部伸ばした場合、約$ 2\ \mathrm m
これほど長いDNAが微小な核内に納まるのは、DNAがクロマチンという構造をとっているから